公益財団法人野口研究所

研究概要・成果Outline / Result

糖鎖とは

 糖鎖とは文字通り、さまざまな糖が鎖のように連なった化合物です。糖鎖を構成する複数の糖は共有結合で繋がっており、この結合をグリコシド結合と呼びます。
糖の水酸基同士が脱水縮合して水分子を生成すると共に脱離し、残りの部分が強く結び付くのです。

 糖の最小単位を単糖と呼びますが、この単糖が二つ結合してできる二糖は糖鎖の最小単位と言えます。鎖の長さが短いものを少糖、長いものを多糖と呼び分けます。およその目安として、構成する糖が十糖程度までを少糖、それ以上の大きさを多糖としています。少糖はオリゴ糖とも呼ばれます。「オリゴ」は「少しの」を意味するギリシャ語です。

 糖鎖は生物の細胞表面に存在する分子であり、細胞同士や微生物との相互関係、体内における免疫反応などに重要な役割を果たしています。さまざまな単糖が連なり、分岐し作り上げられる糖鎖の構造はたいへん複雑で種類も膨大ですが、だからこそ生体内で非常に多くの役割を担うことができます。

 我々はこの複雑かつ多様な糖鎖の性質を解き明かし、その成果を疾病の診断法、治療法や医薬品の開発へと繋げられるよう邁進しています。

 以下に糖に関する情報を紹介します。