公益財団法人野口研究所

研究室の紹介Laboratory

糖鎖有機化学研究室

糖鎖有機化学研究室
スタッフ紹介
研究室長

後藤 浩太朗

メンバー

大隅 賢二、黒河内 政樹、弘瀬 友理子、三保谷 綾

研究概要

 糖鎖有機化学研究室では糖・複合糖質・糖タンパク質合成に向けた、有機合成・酵素合成の要素技術の開発に関する研究、及び糖・糖タンパク質糖鎖の質量分析による構造解析に関する研究を行っています。

合成研究

 糖と糖を結合させた糖鎖、または糖をタンパク質や脂質に結合させた複合糖質の合成、糖を原料とした有用物質の合成、及びこれら糖誘導体の迅速・簡便な新規合成手法の開発を手がけています。これまでに、化学-酵素法による糖ペプチドの合成、糖と糖をつなぐグリコシル化反応の開発、糖とアミノ酸との結合構築法の開発、糖ペプチドの機能解明、化学-酵素法を用いた複雑な構造を有する天然型糖鎖の合成などを行ってきました。最近は、糖を足場としたタンパク質の位置選択的な修飾化法の開発も行っています。またこの技術を活用して、抗体分子の特定部位に特定数の薬物を搭載した抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)の合成に関する研究も行っています。

構造解析研究

 糖鎖は分岐構造を有するため、遺伝子やタンパク質と比べると複雑な構造をしています。現在糖鎖の構造解析は、使用するサンプル量の少なさや測定の簡便さなどから質量分析装置による解析が主流となっています。当研究室では診断の際のバイオマーカーとなる糖鎖構造を明らかにすることを目的に、質量分析法による糖タンパク質の分析技術開発を行っています。

 以下に当研究室の主な研究成果をピックアップして紹介いたします。