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スタッフ紹介

リーダー
天野 純子
メンバー
井出尾 浩子
高島 晶
八須 和子
(五十音順)


研究概要

 糖鎖生物学研究室は2003年(平成15年)4月に発足したユニークな研究室です。 感染・炎症・免疫・がんなどで生体で起こっていることを糖鎖の生物学的役割に着目して解明する研究を行っています。 メンバーはそれぞれ異なるバックグランドを持ち、様々な観点から知恵を出し合い活発に研究を進めています。
細胞表面の糖鎖は細胞の顔として機能しています。
Identityを表します。 ネズミの細胞であるか、ヒトの細胞であるか。 肝臓の細胞であるか、腎臓の細胞であるかなど。
Statusを表します。 癌化しているか、分化しているか、ウイルスに感染しているか、など。
以上のことは、もちろん糖鎖情報だけでは詳細はわかりませんが、糖鎖情報は必須の要素です。 このように細胞表面糖鎖は、場所と時間によって変化し細胞の機能発現を調節しています。
 では、どうして生体にとって糖鎖情報が有用なのでしょうか?
 それは糖鎖構造が多様性に富み、巧妙に制御されているからです。 糖鎖は、直鎖状に繋がるDNAやペプチドとは異なり、2糖が結合する時に複数の結合様式・結合位置が存在するために分岐構造を含む様々な異性体が生じます。 この多様性を利用して、細胞は時と場によって特異的構造を発現し、それを特異的に認識する分子と相互作用することで情報交換します。 例えば、感染の第一歩は、病原性微生物が宿主上皮細胞上の糖鎖に結合することから始まります。 さらにそれに引き続いて起こる免疫や炎症などの宿主応答の中で、様々な細胞や分子が相互作用するときにも糖鎖情報が重要な機能を果たします。また、がんが慢性炎症から変化する過程、増殖し浸潤・転移する過程、あるいはがん幹細胞から再発する過程においてもがん組織内外の様々な細胞や分子との相互作用に糖鎖情報が関与していると思われます。
 
私たちは2つのアプローチを大切にして研究を行っています。
構造解析:遺伝子解析だけではその最終産物である糖鎖構造は解明できません。多様性に富み複雑な構造を決定するために信頼性の高い微量解析法を開発・確立しながら研究を進めています。
機能解析:決定された糖鎖構造の発現がどのように制御され、その糖鎖がどのような分子と相互作用してどのようなシグナルを与えるのか、また、その糖鎖構造が変化した時に生体はどのような変化を生じるのかなどを分子、細胞、個体レベルで解明しています。
このように糖鎖情報を解読しその機能を解明することによって得られた成果を基に、糖鎖情報を利用した病気の予防・診断・治療法を開発することが私たちのゴールです。


研究テーマ

1.質量分析法を用いた超高感度糖タンパク質解析法の開発
2.疾患のグライコプロテオミクス
3.バイオ医薬品のグライコフォーム解析


外部資金プロジェクト

独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)
・ 平成15~17年度 糖鎖エンジニアリングプロジェクト(プロジェクトリーダー地神芳文)に参加し、糖鎖構造解析法の開発研究に従事、特に質量分析装置を駆使した糖鎖解析法の開発
・ 平成17~20年度 糖鎖機能活用技術開発(プロジェクトリーダー成松久)に参加し、疾患マーカーや再生医療のためのマーカーの開発

独立行政法人科学技術振興機構 (JST)
・ 平成17~19年度 大学発ベンチャー創出推進事業 「新規前立腺癌診断法の開発」(開発代表者天野純子;起業家山本修司)
・ 平成19~21年度 先端計測分析技術・機器開発事業 「ピレン誘導体化による超微量糖ペプチドMALDI-MSn」(チームリーダー天野純子)
・ 平成22年~24年度 研究成果展開事業 先端計測技術・機器開発プログラム 「MSnスペクトルから糖ペプチド構造を推定するソフトウェアの開発」(チームリーダー天野純子)

外部資金プロジェクト
・ 平成25年~26年度 研究成果展開事業 先端計測技術・機器開発プログラム 「MSnスペクトルによる糖鎖構造推定ソフトウェアの製品化」(チームリーダー金澤光洋、サブリーダー天野純子)

ネスレ科学振興財団
・ 平成16~17年度 特定研究助成 「人乳少糖の感染防御機構解明とそれを応用した機能性食品の創製」


最近の業績

  1. H. Ideo, Y. Hinoda, K. Sakai, I. Hoshi, S. Yamanomo, M. Oka, K. Maeda, N. Maeda, S. Hazama, J. Amano, K. Yamashita. Expression of mucin 1 possessing a 3’-sulfated core 1 in recurrent and metastatic breast cancer. Int. J. Cancer, In press, 2015
  2. M. Kurogochi, J. Amano. Relative quantitation of glycopeptides based on stable isotope labeling MALDI-TOF MS. Molecules, 19, 9944, 2014
  3. T. Nishikaze, H. Okumura, H. Jinmei, J. Amano. Advantages of pyrene derivatization to site-specific glycosylation analysis on MALDI mass spectrometry. Int. J. Mass Spectrom. 333, 8. 2013
  4. T. Nishikaze, H. Okumura, H. Jinmei, J. Amano. Correlation between sweet spots of glycopeptides and polymorphism of the matrix crystals in MALDI samples. Mass Spectrometry, 1, A006, 2012
  5. S. Takashima, J. Amano. Glycosylation and secretion of human a-amylases. Adv. Biol. Chem., 2, 10, 2012.
  6. T. Nakamura, T. Nishikaze, H. Jinmei, F. Tougasaki, I. Sugimoto, J. Amano. Quantitative Matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry of pyrene-derivatized glycopeptides for investigation of mammalian cell glycomics. J. Glycom. Lipidom., 1, 2, 2011
  7. T. Nishikaze, T. Nakamura, H. Jinmei, J. Amano. Negative-ion MALDI-MS2 for discrimination of α2,3- and α2,6-sialylation on glycopeptides labeled with a pyrene derivative. J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci., 879, 1419, 2011
  8. J. Amano, T. Nishikaze, F. Tougasaki, H. Jinmei, I. Sugimoto, S. Sugawara, M. Fujita, K. Osumi, M. Mizuno. Derivatization with 1-pyrenyldiazomethane enhances ionization of glycopeptides but not peptides in matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry. Anal. Chem., 82, 8738, 2010
  9. T. Nishikaze, J. Amano. Reverse thin layer method for enhanced ion yield of oligosaccharides in matrix laser desorption/ionization. Rapid Commun. Mass Spectrom. 23, 3787, 2009
  10. J. Amano, D. Sugahara, K. Osumi, K. Tanaka. Negative-ion MALDI-QIT-TOFMSn for structural determination of fucosylated and sialylated oligosaccharides labeled with a pyrene derivative. Glycobiology, 19, 592, 2009
  11. J. Amano, M. Osanai, T. Orita, D. Sugahara, K. Osumi. Structural determination by negative-ion MALDI-QIT-TOFMSn after pyrene derivatization of variously fucosylated oligosaccharides with branched decaose cores from human milk. Glycobiology, 19, 601, 2009



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